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『クレタ通信』
greece ギリシャからの便り
パルテノン神殿

パルテノン神殿

パルテノン神殿には日本の建築物との共通点があった!?

アテネ市内の中心部、アクロポリス。
アクロポリスとは「高い丘の上の都市」という意味で、その名の通り海抜約156mにある石灰大地の丘です。
その上にそびえ立つのがパルテノン神殿。
その歴史は紀元前447年~438年ごろにまで遡り、ペルシア戦争の勝利を記念して建築されたとされています。
周辺には関連する遺跡群も多く公園のように整備されていて今も世界中から毎日、観光客が訪れる
人気の観光地となっています。

今回はパルテノン神殿についてご紹介します。

 

ユネスコのシンボルマークに採用

UNESCOは1945年11月に国連の専門期間として発足しました。
正式には「国際連合教育科学文化期間」でUnited Nations Educational Scientific and Cultural Organizationの
頭文字からUNESCOと名付けられました。
教育・科学・文化などの面で国際協力を進めながら、世界平和を実現していく機関として
古代ギリシャ文明がもたらした精神的遺産に敬意を表しパルテノン神殿の正面の姿にUNESCOの6文字を
配したシンボルマークが使われています。

 

 

黄金比

黄金比とは人間が最も美しいと感じる比率のことで長方形だと1:1.618が黄金長方形と呼ばれ
現在もデザインや建築の世界で多数用いられています。
生活のなかで身近な存在では名刺やクレジットカードなどの縦横比に黄金比が使われています。
黄金比を発見したのは古代ギリシャの数学者エウドクソス(紀元前408年頃~紀元前355年頃)と
言われており、その後パルテノン神殿の建設に携わった彫刻家ペイディアスによってパルテノン神殿に
黄金比が用いられたと言われています。

日本の建築物との共通点

パルテノン神殿の円柱は中央部に膨らみを持たせたエンタシスという技法で仕上げられています。
中間部から上部にかけて徐々に細くなるエンタシス技法は、柱を下から見上げたときに
通常の真っ直ぐな円柱よりも安定して美しく見える錯覚を生むため巨大な建築物の柱などに
用いられ現代にいたるまで使用されている技法です。
そのエンタシス技法ですが、なんと日本の歴史的建造物である奈良県の法隆寺にも使用されています。
使用されているのは法隆寺の西院伽藍の廻廊と金堂の柱で、建物として完成させた後に
わざわざ柱を削って加工したと言われています。
法隆寺が建てられたのは飛鳥時代の607年、ギリシャでのパルテノン神殿の建設から約1000年もあとに
なりますが、現在においても技法自体ギリシャから伝わったものなのか、仮に伝わったとして
遠く離れたギリシャからどのようにして日本に伝わったのかという疑問の答えは出ていないようです。

 

エレクティオンの乙女像

パルテノン神殿の北側には女神アテナと海神ポセイドンがアテネの守護神の座をかけて争ったと
されるイオニア様式のエレクティオン神殿があります。
この神殿の見どころはなんといっても神殿の屋根を支えている6体の美しい乙女像。
乙女の姿をした柱像はカリアティードと呼ばれ、パルテノン神殿と同様にアクロポリス遺跡群の
アイコン的存在となっています。
実はこの乙女像、全てレプリカで6体のうち5体は新アクロポリス博物館に展示されています。
(残りの1体は大英博物館に収蔵)
レプリカはとても忠実に再現されていますが、オリジナルとの違いを見比べるのも面白いですよ。

 

パルテノン神殿を観光する際の注意

世界的に有名な観光地のため予想以上に混み合います。
特に午前中からお昼すぎの時間帯10:00~12:00にかけてはチケット購入待ちの大行列が発生するとも。
おすすめは開園一番の8:00です。
朝の混み合っていない時間に入園しゆっくりと遺跡群を見て回ることができます。
次に服装や荷物についてです。
丘のうえにあるアクロポリスは高低差が多く全て見て回ると結構な運動量になります。
また遺跡内の至るところに大理石でできた階段や通路などがあり滑りやすくなっています。
軽快な服装と最小限の荷物、履き慣れたスニーカーで訪れることをオススメします。

 

 

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