オリーブオイルと豆の深いつながり
クレタ島などのエーゲ海の島々には「豆とオリーブオイル」を使った様々な伝統的料理がたくさんあり、
オリーブの栽培がさかんな地域では昔からスープや煮物、ペーストなどの料理でよく食べられていました。
それは、オリーブオイルが豆類の食事を栄養面で補うことができるためだけではなく、古代ギリシャの儀式や神話でも言い伝えられているように、歴史的出来事に関わりのある食材だからでもあります。
神様に様々な豆を捧げるパンスペルミアという儀式は、古代ギリシャ人が神への感謝の気持ちを表し、同時に豊作を祈り、自然の復活を願う儀式でもありました。また、ギリシャ神話では、人類を滅ぼした大洪水の後に唯一生き残ったデウカリオーンと妻のピュラーが最初に食べたのが「豆」だとされています。この神話が象徴しているのは、地中深くに埋められた種(豆)はやがて芽生え、花を咲かせて再び種を残すように《喜びと悲しみの繰り返しは種に表現される「生と死の繰り返し」そのものだ》ということです。
古くから強い結びつきのあるオリーブオイルと豆。
味や栄養面での相性だけでなく、こうした歴史的背景を知るとより深い結びつきを感じますね。