古代神話でのオリーブとオリーブオイル
古代神話に繋がる、オリーブとオリーブオイル。
古代ギリシャで最も華やかな都市アテナイの支配者になりたかった知恵の女神アテナと海の神ポセイドン。
その戦いは独特で、互いにアテナイ市に高価な贈り物をし、より価値のある贈り物をした方が勝者となる、
というものでした。
海の神ポセイドンは、海に嵐を巻き起こすといわれる三又の矛を持ち上げ、アクロポリスの聖なる丘に
突き刺しました。するとそこから海水が噴き出し、丘の上に溢れ始めました。
ポセイドンはアテナイ市捧げたこの泉が、彼に勝利をもたらすと信じていました。
一方、知恵の女神アテナはアクロポリスの丘にオリーブを植えました。木は瞬く間に育ち、その輝く葉は
審判である他の神々に深い感動を与えました。また、それまで人類は火をともす燃料がなかったため、
調理された食事を食べることも明かりの下で夜を楽しむことも出来ませんでしたが、オリーブのお陰で
どちらも可能となり、審判はアテナの贈り物の方が高価で大変貴重なものだと判断しました。
燃料や食品としてだけでなく、石鹸を作ったり薬剤として使用されるなど、古代からギリシャの人々の生活に
根付いていたオリーブオイル。
そのオリーブオイルが今、私たちの食卓にも並んでいることに、とても不思議な縁を感じます。
さらに、アテナはアクロポリスの前にクレタ島にオリーブを植えたともいわれています。
フシコスのルーツは古代ギリシャにまで遡るのです。
出典:健康の秘密 オリーブ油 オリーブ油の正しい使い方
(ニコス&マリア・シラキス 著)