オリーブオイル製造の歴史
古代のオリーブオイルの作り方。
それは現代の製造にも受け継がれる製法でした。
古代から様々な用途で使用されてきたオリーブオイル。
食用としてはもちろん、照明や石鹸、薬としても活用され、今以上に日常生活になくてはならないものでした。
そのため、オリーブオイルは各家庭の道具や機械で手作りされていました。
よく知られている昔の道具は「石臼」です。
日本でも、きな粉やお茶を石臼で手作りすることがありますが、同じような石臼が大昔のヨーロッパでもオリーブの実を潰し、ペースト状にするために使用されていたのです。
石臼を使用していたオリーブオイル作りは、次第に梃子がついた道具に変わり、一度に大量のオリーブを潰せるよう、馬にひかせて作るようになりました。
実際に、梃子で動く搾り機を描いた紀元前6世紀の絵がサントリーニ島で発見されています。
潰したオリーブは、大きな布の袋に入れて種や実の破片などの不要なものを濾し、液体のみを集めます。
水よりも軽いオリーブオイルは上に浮くため、浮いたオイルのみを集めて使っていたようです。
ギリシャに残る多くの遺跡や絵は、オリーブオイルの製造の歴史を物語っています。現代の私達がフレッシュで味わい深いオリーブオイルを楽しめるのも、こうした古代の人々の知恵と工夫の歴史があったからだと改めて実感します。普段、何気なく口にするものや生活の中に当たり前に存在するものも、こうした歴史の上に成り立っているのです。
参考文献:健康の秘密 オリーブ油の正しい使い方
(ニコス&マリア・プシラキス著)