油の種類と身体への効果
油に含まれる「脂肪酸」。
脂肪酸の種類によって、身体への影響に大きく違いが出ます。
脂肪酸は大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分類されます。
○飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、代表的なものにバターやラードがあります。
酸化しにくく加熱調理に向いていますが、摂りすぎることで血中の悪玉コレステロールを高め、
動脈硬化を招く恐れがあります。
一方、不飽和脂肪酸は、さらに「多価不飽和脂肪酸」と「一価不飽和脂肪酸」に分類されます。
○不飽和脂肪酸
●多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸の代表的なものは下記の2種類です。
リノール酸(オメガ6系脂肪酸)…コーン油、ひまわり油 等
リノレン酸(オメガ3系脂肪酸)…アマニ油、シソ油(えごま油) 等
リノール酸もリノレン酸も、人間の体内で合成することができない、または
十分な量の合成が難しい脂肪酸ですが、身体を健康に維持するためには必要な物質のため
「必須脂肪酸」とされており、食事から取り入れる必要があります。
ただし、リノール酸は熱に弱く酸化しやすい性質があり、摂りすぎることで悪玉コレステロールだけでなく
善玉コレステロールも下げてしまう上、がんの発生に結びつくという研究結果もあります。
また、リノレン酸はリノール酸同様、熱に弱く酸化しやすいという難点はあるものの、
動脈硬化予防やがんの増殖を抑制する作用など、リノール酸の危険因子を中和する働きがあります。
●一価不飽和脂肪酸
オリーブオイルの約60~80%を占めるのが、オレイン酸(オメガ9系脂肪酸)。
オレイン酸は熱に強く酸化しにくいため、体内の過酸化物の発生を抑えることができます。
また、悪玉コレステロールだけに作用し、善玉コレステロールは下げないので
動脈硬化予防や生活習慣病予防にも効果的です。
このように、オリーブオイルは【熱に強く】【酸化しにくく】【悪玉コレステロールだけに作用する】
ということから、他の油よりも身体に良い油として注目されています。
様々な油をお料理によって使い分けているご家庭も多いと思います。
油の種類によって、身体へどのような効果をもたらすのかを知り、香りや風味など、その料理にあった油を選ぶことはご家族やご自身の健康維持や美味しい食生活のためにとても大切です。
毎日使うものだからこそ、身体に良いものを選びたいですね。